Claude Designを使ってみた──資料作成の常識が変わる
はじめに
最近Anthropicから公開された Claude Design を試してみました。
ひと言でいうと、「資料作成が劇的に楽になった」というのが正直な感想です。これまでClaude Codeで資料を作ろうとすると、pptxは崩れまくり、体裁を整えるのに半日かかる——そんな苦労をしてきた人ほど、この変化のインパクトを感じられるはずです。
とはいえ、実際に使ってみると「良い点」だけでなく、トークン消費の激しさや週間制限など無視できない注意点も見えてきました。この記事では、Claude Designの実力と使い勝手について、ポジショントーク抜きで正直な所感をまとめます。
Claude Designとは
Claude Designは、Anthropicが提供する 資料・デザイン生成に特化した新しいClaudeの機能 です。
具体的には、以下のような成果物を自然言語の指示だけで生成してくれます。
- pptx(PowerPoint形式のプレゼンテーション資料)
- LP(ランディングページ)相当のHTML
- 図表・ダイアグラム
- 提案書・紹介資料のドラフト
これまでClaude Codeでも同じようなことはできましたが、専門の仕組みとして整備された ことで出力の精度が明らかに一段階上がっています。
これまでの資料作成は何が辛かったか
Claude Codeは本来コード生成に特化したツールなので、正直なところ 資料作成は得意分野ではありませんでした。
私自身、これまでClaude Codeで資料を作るために、次のような工夫をしてきました。
- 資料構成を Markdownで先に書き出す
- python-pptxで生成するための 長大なスクリプト雛形 を用意する
- フォント・レイアウト・色のルールを CLAUDE.mdに事細かに書き込む
- 「ここをはみ出さないで」「このフォントは使わないで」と毎回細かく指示する
それでも生成されたpptxは、テキストボックスの位置がずれていたり、文字がはみ出していたり、フォントが簡体字になっていたり と、微調整が必要なことが多々ありました。
「AIで資料作成を効率化する」というより、AIが作ったものを人間が修正するコストのほうが大きい というのが実情だった気がします。
Claude Designで何が変わったか
Claude Designを使って最初に驚いたのは、こちらから細かく指示しなくても、それなりに見られる資料が出てくる という点です。
使い方も拍子抜けするほど簡単で、たとえばこんな感じの依頼を投げるだけでいい。
Claude Designの導入資料を作って
するとClaude側が勝手に プランモードに入って、以下のような方向性を確認してきます。
- 想定読者は誰か(経営層向け・技術者向けなど)
- スライド枚数の目安
- トーン(フォーマル・カジュアル)
- 特に強調したいポイント
- デザインの雰囲気(シンプル・モダン・カラフルなど)
こちらは選択肢に答えていくだけで、あとは自動で資料ができあがっていきます。
これまで自分で「表紙のレイアウトはこう、本文スライドはこう、フッターはこう」と指示していた部分が、すべてClaude側で勝手に組み立てられる ようになりました。指示するより前に、向こうから必要な情報を取りに来てくれるイメージです。
pptxの出来栄え:まだ100%ではないが十分実用的
正直なところ、pptxの生成はまだ「完璧」ではありません。
- 一部のスライドで余白が気になる
- 強調したい箇所のデザインがあっさりしている
- 図表のレイアウトは人間が微調整したほうが良い場面もある
ただし、これは「そのまま社外に出せるか」という視点での評価であって、ゼロから作り始めるよりは圧倒的に早い。
私の感覚では、7〜8割は完成した状態で出てくる ので、あとは細かい調整をすればプレゼンで使えるレベルになります。これまでのように「ほぼ全スライドで位置調整が必要」という状態からは抜け出せました。
特に助かったのは、会社共通ルール(フォントサイズ、余白、ページ番号の位置など)の遵守率が上がったこと。以前はスライド1枚ずつ崩れをチェックしていたのが、ざっと見て問題ないかを確認する作業に変わりました。
HTMLのLPはほぼ完璧
一方で、HTMLのランディングページは本当に綺麗に仕上がります。
Claude Designに「サービス紹介のLPを作って」と依頼すると、以下がいい感じに整った状態で出力されます。
- ヒーローセクション(大きな見出し + CTAボタン)
- 特徴紹介(3カラムのカード)
- 料金プラン表
- よくある質問(アコーディオン)
- フッター
余白、タイポグラフィ、色のバランス——どれをとっても「それらしいLP」になっていて、正直これまで紹介してきた OSSのテンプレートやGoogle Stitchが不要になるかも と思わされるレベルです。
少なくとも「最初の叩き台を作る」段階では、Claude Design一本で完結できる印象があります。
費用感:既存プラン加入者には良心的
Claude Designは、既にClaudeのプランに加入している人であれば追加費用なしで利用できます。
これは個人的に大きなポイントです。資料作成やデザイン生成のために別サービスを契約する必要がなく、今使っているClaude Proの枠内で試せる。
- 別途サブスクを増やす必要がない
- 個別の従量課金が発生しない
- 検証コストがほぼゼロ
「ちょっと試してみよう」と気軽に手を出せる価格設計は、既存ユーザーに優しいと感じました。
注意点:トークン消費は激しい
ただし、手放しで絶賛できないポイントもあります。それが トークン消費の激しさ です。
Claude Designは コード生成よりも遥かに早くトークンを消費します。
体感としては、
- 1本のpptxを作るだけで、数時間分の開発セッションに相当するトークンを消費する
- LP1ページの生成でも、それなりの消費量になる
- 作り直しや修正指示をするたびに、じわじわと残量が減っていく
私はClaude Codeで開発もしているので、1日で両方使うとあっという間に枠を食い尽くす ことがありました。
「気軽に試せる」と書いたばかりですが、過信は禁物 です。特に重要な案件でたくさん使いたいときは、残りトークンを意識しながら使う必要があります。
週間制限はシビアに感じる
Claudeプランには 週間のトークン制限 があります。
これまでコード生成中心で使っていたときはあまり意識したことがなかったのですが、Claude Designを使い始めてからは「思ったより早く上限に近づく」ことを実感しました。
特に次のようなケースでは要注意です。
- 営業資料を一気に何本も作りたい
- デザインの方向性を比較するために複数パターン生成したい
- 修正指示を何度も繰り返す
週の途中で「今週はもう使えない」と気づくと、結構ショックです。
とはいえ、以前はそもそもできなかったことができるようになった という事実は変わりません。「上限が厳しい」と不満を感じるのは、「できる前提」で話をしているから。この贅沢な悩みこそが、Claude Designのインパクトを物語っている気もします。
使ってみて感じたこと
Claude Designは、Claudeの用途を一段広げた機能 だと感じました。
これまでは「コード生成はClaude、資料作成はPowerPointやCanva」と役割分担していたのが、資料作成までClaudeで完結できる可能性が出てきた。特にLPの生成精度は、私のようにデザインが不得手なエンジニアには大きな武器になります。
一方で、消費リソースが大きい ため、使い所は選びたいところです。
- 重要な資料のドラフト生成 → 価値が高い
- 軽い提案書のたたき台 → 使い過ぎるとトークンを食う
- LPのプロトタイプ → コスパが非常に良い
- pptxの清書 → まだ人間の仕上げが必要
こういった 使い分けの感覚 を持っておくと、Claude Designの恩恵を最大化できそうです。
まとめ
Claude Designを使ってみての率直な感想は、こうです。
- pptxの精度はかなり改善。ただしまだ人間の微調整は必要(7〜8割完成)
- HTMLのLP生成はほぼ完璧。OSSテンプレートやGoogle Stitchが不要になる可能性もある
- 使い方は極めてシンプル。依頼文を投げるとプランモードで方向性を確認してくれる
- 既存のClaudeプラン加入者には追加費用なし、コスパは良心的
- トークン消費は激しい。コード生成より早く枠を食う
- 週間制限はシビア。使いすぎると途中で上限に達する
それでも、「これまでできなかったことができるようになった」という事実は大きい。資料作成に時間を取られがちな人、デザインが苦手なエンジニアこそ、一度試してみる価値があると思います。
過信はせず、ここぞという場面で使う——そんな付き合い方ができれば、Claude Designはかなり頼もしい相棒になってくれそうです。